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押出機( ペレタイザー )って何? | おすすめの押出機も紹介 【初めてのプラスチックリサイクル】
もくじ
押出機( ペレタイザー )って何?
押出機とは筒状の鋼材(シリンダー)の中にスクリューが格納されており、ヒーター熱等(加熱ゾーン)によりシリンダー内で樹脂をドロドロに溶かし、
スクリューで前方に運びながら樹脂が混錬され、ダイ(ダイス)と呼ばれる金型から押し出し。ペレット等を作ります。
溶融された樹脂を様々な形状で成形・冷却することでプラスチック製品を成型するための機械の事です。
押出機の他、ペレタイザーやルーダー、造粒機などの名称で呼ばれる事もあります。
押出機の仕組み
押出機の種類
スクリューの本数
◾️ 一軸押出機スクリュー
1本のスクリュータイプ一般的な成型用や樹脂のペレタイズに使われます。 最も多く使われているタイプです。
◾️ 二軸押出機スクリュー
2本のスクリュータイプの場合、別の色を混ぜ合わせる(着色)等、よく樹脂を混錬したいときに使用します。
ペレタイズ方式
◾️ ストランド方式 ペレタイザー
古くからペレット加工で使われている方式でダイスから出てきた溶融樹脂を水槽で冷やしてカットします。異物が多いと、ストランドが切れ生産性が落ちる為、異物混入の少ない(取り除く)材料を使う必要があり異物の多いスクラップをストランドで生産することは稀です。樹脂の物性が安定していないとストランドも安定しないため、ストランドカット方式で生産されたペレットには異物が入っている可能性が低く、物性のクオリティが高いとも言えます。
◾️ ホットカット方式 ペレタイザー
ダイスの上(ダイフェイス)を回転するカッターが樹脂をカットし、ストランドが途中で切れてしまう可能性が低く、作業者の監視と作業を少なくする事もでき、安定してペレット加工を行うことができます。ストランド方式と比較しコンパクトなのも特徴で、近年増えて来た方式です。
◾️ 水中カット方式(アンダーウォーターカット) ペレタイザー
水と接しているダイスの上でカッターが樹脂をカットします。水中カット方式は一度も空気に触れることなくペレット加工ができることで、粘度の低い樹脂でもキレイにペレタイズができます。ストランドやホットカットと比較し高額になります。
ペレットとは
ペレット(pellet)とは、粒状(米粒)の形をした合成樹脂 (プラスチック )のことを指します。フィルムや成形品の原料となるものです。ポリエチレン 、ポリプロピレン 、ポリスチレンなどが成形される前の形態はペレットの形をなしています。
ペレットに及ぼす異物の影響
リサイクルの現場では、様々な異物・異樹脂の混入があります。
樹脂に異物を入れてはいけないということではありません。
フィラーといって、意図的にと樹脂に炭カルやタルク(石の粉)、木粉を配合して原料を製造する場合もございます。
しかし、意図しない、ゴミとして入ってくるものは悪影響を与えます。
スクリーンフィルターを使い取り除きますが、異物が多いと交換作業に時間を要し、人件費増大や、生産性低下につながります。
- 紙 : 炭化や、スクリーンを詰まらせる原因となる、紙のヤケの匂い
- 金属 : 押出機のスクリューやシリンダー、カッターなどに重大なダメージを与える
- 砂 : スクリューやシリンダーの摩耗やメッシュ詰まり
- 土 : 同上 有機物:メッシュ詰まりや悪臭の発生、炭化
- 異樹脂 : 樹脂の物性の変化、高温度で溶融する樹脂はメッシュ詰まり
ペレットと発泡
ペレットに何らかのガスが入り、樹脂内に気泡を含んだ状態を「発泡」と呼んでいます。ペレットを持つと、通常より軽く感じられ、発泡が激しいペレットは簡単につぶれます。
気泡が入った状態のペレットを販売して、ユーザーが自社の製品の製造をしようとすると、その製品のなかにガスが入ることになります。
この様なペレットを使用した場合、当然製品の外観には何らかの形で不具合が発見され、製品は不良品となります。
この状態のペレットを出荷すると大きなクレームとなることが多く、そのため、リサイクル業者はペレットが発泡していないか、確りと確認します。
まとめ
いかがでしたか?
近年はリサイクルの需要も高まり、リサイクル業者にとどまらず、
大手主要飲料メーカーでも「2030年までにグローバルで使用しているすべてのペットボトルに新たな石油由来原料を使わない」や「リサイクルペットまたはバイオマスプラなどの環境配慮素材を使用する事を目指す」など、公言しております。
※1「海洋プラスチックごみの海洋汚染」※2「ごみ処理問題」等が日本を含む世界各国で問題視されており、国内外でさまざまな施策が打ち出されており、ペレタイザーの需要も今後高まっていくことでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※1 海洋プラスチック問題について(WWFジャパン)
※2 日本の廃棄物処理の歴史と現状(環境省)