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紙容器リサイクルが驚くほど簡単に!摩擦洗浄機で広がる可能性
もくじ
摩擦洗浄機で、紙とプラスチックフィルムの剥離テストを実施
牛乳パックや紙製のヨーグルト容器は、紙にプラスチックフィルムが貼り合わされた構造となっており、
それぞれ紙とプラスチックとしてリサイクルするには紙とフィルムを剥離させる必要がありますが、
従来の方法では、軟質フィルムとパルプの分離が困難であるという課題がありました。
今回は、摩擦洗浄機で剥離作用を得られないかというご相談を受け、テストを実施しました。
摩擦洗浄機とは?

摩擦洗浄機は主に、破砕処理された軟質・硬質プラスチック表面に付着した汚れや残渣を除去するための装置です。
プラスチックリサイクルの洗浄工程において主に、比重選別洗浄槽前後に配置し、予備洗浄や追加洗浄用途で使用されます。
その原理は、高速回転するローターに取り付けられたブレードにより、装置内を通過する対象物に付着した汚れ・残渣が
叩き落とされると同時に、ローターを覆うパンチングメッシュのケーシングとの間に発生する摩擦作用により洗浄を行います。
また、高速回転するローターの遠心力により水切り脱水効果も得ることができます。
テスト概要
テスト材料:破砕済みの使用済み牛乳パック
前処理:破砕後に水洗浄を実施


※画像をクリックすると拡大します。
テスト条件:
テストパターン
半乾燥状態での処理(破砕→洗浄後に一定期間放置され、わずかに湿り気がある状態)
約4時間浸漬後の処理(紙が十分に水分を含んだ状態)
投入
- 時間500kgを想定し1分間に8.3kgほどを投入
結果
半乾燥状態

水浸漬有り

回収した紙パルプ

※画像をクリックすると拡大します。
課題点
パンチングメッシュ外側に、剥離した紙が付着し、長時間運転すると目詰まりする可能性がある。
従来、摩擦洗浄で排出される汚れや残渣は対象物の数%程度のため、
今回のように原料として大量に排出される場合は、排出機構の仕様変更が必要となるかもしれない。
まとめ

従来とは異なる用途でのテストだったが、本材料に対しては剥離効果を得られる事が確認でき、
洗浄だけではないリサイクル工程における用途の可能性を期待できる結果となった。
ただし、剥離した紙成分について排出能力が不十分であったため、実用に対しては改善が求められる。